■主線の透過抜き■
いわゆる「セル画」。下絵として描いたイラストの線を透明のレイヤに抜き出す方法です。この方法は割と有名です。web検索すると見つかると思います。
原理はわからずともこうすればできる〜みたいな方法として覚えていて損はないと思います。

ちなみにPhotoshopのバージョンは7.0です。バージョンによっては若干操作が違うかも・・(てか上位バージョンはぜんぜん違うかも)

【手順1】下絵の準備

@下絵を準備します。
下書きのコツとしては、「ケント紙」などの上質な紙に、なるべく大きめのイラストを描くことです。
上質な紙にするのは、インクがにじんで線がいびつにならないため、大きめなイラストにするのは、紙や線の粗を極力目立たなくするためです。
(これを 逆手にとって手書き風の味を出したいときはこの限りではありませんが・・)

また、下絵は鉛筆のままでも問題ありませんが、はっきりくっきりした線をご所望の場合は、素直にペン入れをして、鉛筆の下書きはキレイに消し去りましょう。

Aイラストをスキャナーで取り込みます。
「ファイル」→「読み込み」→「スキャナー×××」(※環境によって異なると思われ・・)

スキャナーによって操作が違うと思うので、詳細はパス。
とりあえず グレースケールでできれば300dpi以上でスキャンすればよろしいかと。(大は小を兼ねるので。この業界これ重要。大きめに作って、印刷時に縮小、これ常識・・)
ちなみに、この時点では、紙は見た目には白くみえてもデータ的には完全な白ではなく淡いグレーであることがわかるでしょう。(Bでそれを補正します。)

B明度/コントラストの調整
「イメージ」→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」

白いところは白く、黒い線は、よりはっきり黒にする為に、明度とコントラストを調整します。自分は明度+30前後、コントラスト+25前後に調整しています。
白いところにゴミがなくなり、線がグレーでなくなれば問題ないでしょう。

C画像のモード変更
「イメージ」→「モード」→「RGBカラー」

グレースケールで取り込んだ画像をRGBカラーモードに変更します。グレースケールのままではカラーで色を塗れないので・・・

※でここまで描いてなんですが・・・
見本の画像は見本としてあまりふさわしいものではありません。用紙は普通のコピー用紙(まあここまでは問題ないですが・・)
きつねのイラストは鉛筆で書いただけでペン入れしていません。(しかもかなり小さい)なので、最終的な仕上がりは、かなり
ラフなものになります。まぁ、イラレでトレースするよりは100倍楽なので落書き的なものはこうして色をつける場合も多いですが・・・

【手順2】主線の抜き(アルファチャンネル生成)

これから説明する手順2は機械的な作業で、使っている本人も理屈があまりわかりません。とりあえず、そのままやればできるぞ〜みたいな感じで。

@領域の取り込み
サブウインドウ「チャンネル」タブ→ 破線の○(「チャンネルを選択範囲として読み込む」)

「チャンネル」に切り替えます。破線○印(「チャンネルを選択範囲として領域を選択して読み込む」をクリックして領域を選択します。

A領域を反転
「選択範囲」→「選択範囲を反転」

これで、選択範囲がペン入れした方に反転されます。

B選択範囲をチャンネルとして保存
サブウインドウ「チャンネル」タブ→四角囲み○(「選択範囲をチャンネルとして保存」)

選択領域がアルファチャンネルとして保存されます。
※ここでいう「アルファ」とは「透過度情報」のことで、簡単に言えば、色に対する透明度、いわゆる濃淡を管理しているチャンネルと認識しています。
画像の白が100で黒が0(@の状態)で読み込んだものをAで反転しているので、黒が100、白が0の透過度をもったアルファチャンネルが生成されたことになります。
(やっぱなんのこっちゃですね・・)

【手順3】主線の抜き(主線の塗りつぶし)

@新規レイヤ作成
サブウインドウ「レイヤ」タブ→「新規レイヤ作成」

「レイヤ」に表示を戻して、「新規レイヤ」を作成し、そのレイヤ上で作業をします。尚、レイヤの背景色は透明で作成します。

A描画色の選択(黒)
サブウインドウ「カラー」タブ→色選択:黒(描画色を設定)

描画色のカラーを黒で選択します。

B黒で塗りつぶし
「編集」→「塗りつぶし」→内容「描画色」(オプションは結果をいろいろ試してみてください)

透明のレイヤ上に描画色:黒で塗りつぶします。とりあえずオプションはデフォルトで。実行後、見事に主線が透明レイヤに再現されます。

※アルファチャンネル(黒100%、白は0%)を選択状態として、新規レイヤに描画色:黒で塗りつぶされるということです。
当然中間色はそのパーセントで書き出されるわけです。黒のアルファ50%はRGB=128:128:128でかかれるみたいな。

また、「描画色」をを黒以外でも当然、塗りつぶすことは可能です。色を茶系統にして「セピア風」を再現したりする際に便利です。

【仕上げ】


@白紙を作成

このままでは作業しづらいので、元の下書き画像との間に白紙のレイヤを作成してやります。下書き画像は破棄してもかまわないでしょう。
(ここで一旦、名前を変えてセーブですね・・)

※これで主線の抜きは完成です。

【蛇足】
上記で作成した主線のレイヤは以降の作業で、編集しないようにします。(やりがちなのでロックしておくとよろしいかと)
色塗り用のレイヤを主線のレイヤの下に作成して、作業をしてイラストを完成させましょう。
間違っても主線レイヤに描かないように。

今回は、サンプルなのでそのまま、エアブラシでザッと色を塗りましたが、アニメ塗りをする際の「塗りつぶし」のコツとして

主線レイヤ上で、塗りたい箇所をピックアップツールで「領域選択」
→選択領域の拡張:1〜2ドットくらい拡張・・・境界線の塗り残しを防ぐためです
色塗りレイヤに移動し、塗りたい色を選択し、バケツツールで領域を塗りつぶします。

この状態がアニメーションのセル塗りに近いので、セル画作成というのかもしれませんね・・